大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)574 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人島田敬の上告理由について。

原判決の確定した事実によれば、上告人は形式の完備した本件為替手形に裏書人

として署名して、これを被上告人に交付したというのである。裏書自体にはなんら

のかしがない以上、かりに、本件手形の振出行為、引受行為が商法二六五条違反に

よつて無効であるとしても、裏書人たる上告人(上告人が振出人、受取人である場

合も同様)の責任に消長をきたさないことは、手形法七条の明定するところである。

論旨は、被上告人の本件手形取得は無権利者からの取得であることを前提にし、原

判決に手形法一六条二項の解釈適用を誤つた違法があると主張するのであるが、右

説明の如く、本件裏書の効力は他の手形行為(振出行為および引受行為)の実質的

理由に基づく無効と関係がないのであるから、本件は手形法一六条二項を適用すべ

き場合ではない。所論は、その前提において失当であつて、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 長 部 謹 吾

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